ミトコンドリアとは
ミトコンドリアは、細胞内の小器官であり、その大切な役割は細胞が必要とするエネルギーを作ることです。
ミトコンドリアはブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸といった栄養素を使ってATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる分子を生成します。
ATPは細胞のエネルギー源として、筋肉の収縮、細胞の成長と修復、神経伝達など、多くの生理的プロセスに利用されます。
簡単に言うとミトコンドリアは発電機のようなもので、ミトコンドリアの発電量によって元気であったり、すぐに疲れてしまったりします。
ですから、ミトコンドリアの機能が低下すると、多くの不調や健康問題が起こります。
ミトコンドリアの元気がないと・・
- エネルギー不足→疲れやすい
- 細胞のタンパク合成が低下→代謝が落ちる
- 障害を受けた細胞を壊すこと(アポトーシス)ができなくなる→細胞のがん化
1つのブドウ糖から最大38個のATPが作れます。
ミトコンドリア機能が低下すると、作られるATPの数が少なくなります。
極端な話、ミトコンドリアが全く動かなくなるとたった2個のATPしか作れません。
ミトコンドリアの働きが低下している人は、同じエネルギーを作るのに人一倍食べないと(たくさんブドウ糖を燃やさないと)いけないことになります。
食べても太れない人、食べてもすぐにお腹がすく人、空腹になると動けなくなる人はミトコンドリア機能が低下している可能性があります。
ミトコンドリア機能低下により引き起こされる状態
ミトコンドリアの機能が低下することによって以下のような症状や疾患に繋がります。
- 疲労感、倦怠感
- 免疫低下
- 炎症の増加
- 酸化ストレスの増加
- 細胞老化が加速する
- 脳の老化、認知機能の低下、神経変性疾患(アルツハイマー、パーキンソン)
- うつ病、不安障害
- がんの増加
ミトコンドリア機能低下の原因
ミトコンドリア機能を低下させる原因はさまざまで、以下のようなものがあげられます。
- 加齢
- ストレス
- 活性酸素
- 低血糖
- 質的栄養不足(ビタミン、ミネラル不足)
- 運動不足
- 慢性炎症
- 有害金属の蓄積
- カビ毒(腸カンジダなど)
ミトコンドリア機能の評価
栄養療法ではミトコンドリア機能を評価するために複数の検査結果を用います。
- 血液検査
- 尿有機酸検査
- ミネラル検査など
ミトコンドリア機能を改善するには
ミトコンドリア機能の低下を予防・改善するためには、適切な食生活と運動、そしてストレス管理が重要です。
抗酸化物質を多く含む食品や、ミトコンドリアの健康をサポートする栄養素(鉄、マグネシウム、コエンザイムQ10やL-カルニチン)を摂取することが推奨されます。
適度な運動はミトコンドリアの数を増やし、その機能を高める効果があります。
これらの生活習慣を意識することで、ミトコンドリアの機能を維持し、健康的な生活を送ることが可能となります。
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