間違った腸活

間違った腸活?

腸活いうと発酵食品をとるとか食物繊維、オリゴ糖や乳酸菌をとる。ヨーグルトを毎日食べている、野菜や果物のスムージーを飲んでいる、腸活サプリメントを飲んでいるなど方法は様々だと思います。ネットの情報や知り合いから勧められてやってはいるけど効果が出ない、体調が改善しないといった方々が多くみられます。
例えばヨーグルト。原材料は牛乳です。カゼインという難消化性タンパクが腸粘膜を傷つけてしまうことがあります。また乳糖不耐の場合も腸へのダメージの方が大きく、万人にメリットがあるものではありません。
SIBOという病態があります。小腸内に細菌が大量に増殖してしまいお腹が張ってしまう病気です。SIBOの人にさらに食事で菌を送り込むとどうでしょう。よりお腹が張ってしまい病気は悪化します。

腸活は個別化の時代

腸活はその人に合った方法で行わなくてはなりません。

腸活がうまくいかない原因

腸に悪い食事をしている

どれほど腸にいいものをとっていてもそれと同等、もしくはそれを上回る悪い食事をしていれば効果はでません。

砂糖

とくに精製された白い砂糖は悪玉菌やカビ菌の格好の餌です。砂糖はそれ以外にも血糖値を急上昇させたり老化の原因である糖化反応を引き起こしたりします。

果糖ブドウ糖液糖

清涼飲料水やソース、ドレッシング、その他様々な加工食品に使われています。砂糖同様、それ以上に腸内環境を悪化させます。

人工甘味料

糖質オフ、カロリーオフに隠れていろいろな食材に使用されています。スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムKなどは要注意です。

食品添加物

様々な食品添加物が使われていますが、その中でも乳化剤は腸粘膜の粘液バリアを破壊してしまうことがわかっています。

小麦、乳製品

個人差がありますが、小麦のグルテン、牛乳のカゼインは消化が難しく腸に炎症を引き起こすことはよく知られています。
そもそもヨーグルトが合っていないという方もいますので要注意です。

アルコール

アルコールは腸内細菌の働きを抑えてしまいます。

ナッツやコーヒー

基本的に腸にいい食品ですが、海外から船に乗って運ばれてきますのでカビが生えているものも多く逆効果の場合があります。

まとめますと…

  • お菓子は毎日食べない 週1−2回、高級なものを。
  • 甘い乳酸菌飲料は飲まない。ゼロカロリーにだまされるな。
  • ジュースやエナジードリンクは飲まない。
  • 加工食品、外食はほどほどに。栄養成分表示にカタカナがたくさんあるものは買わない。
  • 1日の食事で小麦製品は1食程度にとどめる、もしくは食べない。乳製品は嗜好品と思ってとりすぎない。
  • 食材のカビに注意する(安すぎるものは避ける)

菌活も順番が大事

なんでもそうですが、物事を始めるには順番がとても大切です。
よくある間違いは、「腸にいいこと」から始めてしまう事です。
実は「腸に悪いことをしない」から始めないとダメなんです。

腸内フローラに悪いもの(こと)

食品添加物

添加物には乳化剤や防腐剤、ph調整剤などさまざまな化学物質が使われています。
添加物で体にいいものは一つもありません。
多くの食品添加物が腸内フローラを乱すことが分かっています。
添加物が多く使われるのは加工食品や調理済みのお惣菜、パン、お菓子などです。
本来は自分で作ることが良いのですが、忙しい現代社会でそうもいきません。
コンビニやスーパー、チェーンの外食産業などでは加工済みの食品が手軽に手に入りますが食べすぎは注意です。
ポイントは食品成分表を見ること。詳しくわからなくても記載されている添加物の種類が多いものやカタカナの添加物が多いものを避けることをお勧めします。
冷凍食品は比較的添加物が少ないものが多いですが、それでもちゃんと成分表を見るといいですよ。
もう一つのポイントは日持ちするものは買わないこと。添加物の役割は大きく二つ。一つは腐らないように。もう一つは味や見た目を良くするために使われます。

砂糖、人工甘味料

砂糖が体にとって毒であることはもうみなさんご存知ですよね。
特に精製された砂糖は血糖値を大きく変動させ自律神経を揺さぶります。
また脳の砂糖依存を作り出し不健康スパイラルを作り出します。
自律神経の調節が悪い人はだいたい砂糖中毒です。
この糖ですが悪玉菌の大好物です。
砂糖をたくさん摂ることは、せっせと腸内の悪玉菌を育てていることなんです。
人工甘味料はどうでしょう。
カロリーゼロを謳って多くの人工甘味料が使われていますが腸内フローラを乱すだけでなく、子供にとっては発育に影響もあります。脳を壊す3大人工甘味料「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムK」これだけは覚えておきましょう。
砂糖との付き合い方ですが、精製白糖を未精製のもの(きび糖や黒糖など)に変えるといいです。
天然の甘味料(羅漢果、ステビア、甘草など)や糖アルコール(キシリトール、エリスリトール)を使うこともお勧めです。
何より大切なのが「お菓子の量を減らすこと」です。
お菓子は腸に悪い精製糖や精製塩、小麦や牛乳、酸化した油の3拍子が揃ったものが多いからです。
当院にはお腹の不調で悩んでいるお子様が受診されます。だいたいお菓子をやめるとよくなってます。

アルコール

アルコールは腸内細菌の働きを弱め、悪玉菌を増やしてしまいます。
お酒を飲むと翌朝お腹が緩いことが多いと思いますが、このためです。
適量は人それぞれ。お腹と相談して飲む量を決めてください。

ストレス

ストレスは免疫を低下させ、腸内フローラを乱します。
避けられるストレスは積極的に減らすか、もしくは「ストレスは体にいいもの」とストレスの捉え方を変えてうまく向き合うなど、ストレスに対して受け身にならない心がけが大切です。

夜ふかし

体のリセットのゴールデンタイム、22時から2時(諸説あります)、ここで熟睡できるかどうかです。
また逆もあり、不眠がちな人は腸内フローラが悪いこともわかっています。
ポイントは夕食を21時までにとり、寝る前にスマホ画面を見ないことです。

腸内細菌を育てる

「腸内細菌に悪いことをしない」ができるようなったら、今度は腸内細菌を育てていきましょう。

発酵食品

言わずと知れた腸活、菌活の王道です。ヨーグルト、納豆、味噌、漬物、キムチ、麹、お酢などなど
ここで一つ注意したいのはヨーグルトは人を選ぶということ。
ヨーグルトは乳製品です。乳製品がダメな人(乳糖不耐やカゼンイン不耐)にはかえって逆効果です。
毎日ヨーグルトを食べているのにお腹の調子がいまひとつ。体調が良くなった実感がない人にはヨーグルトは合っていないかもしれません。
また納豆や味噌は最近では大量生産のために本来の製造方法で作られてないものも多く一概にお勧めできません。
お酢は善玉菌を増やす以外に、胃の中を酸性にして消化を助ける作用があります。
特に日本人は胃酸の分泌が弱い民族です。食事だけ欧米化して慢性的に消化不良を起こしている人、多いです。
酢のものを一品加えたり、食前にフルーツビネガーを少量飲んだりしてみてください。

食物繊維

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸が作られます。
短鎖脂肪酸には、①腸内を酸性にし、悪玉菌の繁殖を防ぐ。②腸の粘膜細胞のエネルギーとなる。③代謝をコントロールするなど多くの働きがあります。
不溶性食物繊維には便のかさを増して便通をよくする働きがあります。便秘を防ぐことによって悪玉菌の増加を防ぎます。

オリゴ糖

オリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり善玉菌の数を増やすことで腸内環境をよくします。
また砂糖に比べカロリーが少なく砂糖の代替としてもおすすめです。

運動

適度な運動は自律神経を整え、腸の蠕動運動を高めることから便通が良くなり腸内細菌を整える作用があります。
ウォーキングやヨガがおすすめです。

サプリメント

過去記事でもお伝えしておりますが、私はサプリメント推しです。
現代人はとても忙しい。食事のことなんて考える暇なんてありません。そして時間は有限です。
サプリメントは効率を追求した優れた健康増進ツールです。
正しい知識で正しい使い方をすれば得こそあれ損は絶対にありません。
徳に病気の治療にはぜひ使ってほしいと思っています。
お薬では病気は治せません。病気治るのは自己治癒能力が勝手に治しているだけで、薬はそのサポートです。
自己治癒には適切な材料と元気な細胞機能が必要です。そのためには栄養素の摂取も同時にしないといけないんです。
日々の診療ではこちらから積極的におすすめはしません。が、気になるかたは私やスタッフに気軽に聞いてください。

サプリメント

腸のケアで薬に頼らない花粉症治療

腸のケア

悪いのは花粉ではなく花粉に過剰に反応する免疫細胞です
免疫はおもに腸でコントロールされています。

①砂糖、小麦、牛乳を減らす

砂糖は腸内の悪玉菌の大好きなエサです、また小麦のグルテンや牛乳のカゼインは人によっては腸を傷つける物質です。実は栄養療法に出会うまで、毎日下痢しか出なかったんです。胃腸の専門医なのに自分のことは棚に上げてました(汗)。元々牛乳はダメだったんですが、グルテン不耐もあったようです。さらに食品添加物の多い外食チェーンやコンビニ食も減らしました。

②乳酸菌の摂取

腸の善玉菌を増やすことで粘膜の状態が改善します。善玉菌は腸の3つのバリアの1番目を担当しています。また善玉菌は腸粘膜を元気にする働きもあります。

2.適切な栄養素の摂取

腸粘膜を元気にする栄養素はビタミンA、D、亜鉛などがあります。さらにアミノ酸の1種であるグルタミンも腸の直接のエネルギー源になります。健康維持するレベルであれば食事からの摂取で事足りますが、疾患の治療の補助的な使用の場合にはサプリメントによる高濃度での摂取が必要です。
当院では高品質な医療機関専用サプリメントを治療のサポートとして取り扱っています。腸のケアは花粉症だけではなく、アトピー、うつ、不眠、子供の発達障害などにも効果があります。ぜひ一度ご相談ください。

サプリメント

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