栄養ブログ

疲れやすい人こそ“温活”を。 ~冷えと疲れやすさの関係~

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なぜかいつも疲れやすい…それ、“冷え”が原因かも?

 

「ちゃんと寝ても疲れが取れない」

「手足が冷える」

「朝がつらい」

 

そんな慢性的な疲労や冷え性の背景には

“エネルギー不足”が根っこにあることが多いです。

 

私たちの体は、食べたものを使ってミトコンドリア(エネルギー生産工場)で「ATP(エネルギー分子)」を作り、それで動いています。

でもこのエネルギー、動く・考える・体温を保つなど、いろんなことに使われています。

 

エネルギーが少ない人=ATPの生産が不足していると身体は

「生命維持に必要なエネルギー」を優先し、

 

「体温を上げる余裕がない」状態かもしれません。

 

 

体温を上げるのにも『エネルギー』が必要

       

 

体を温める=代謝を上げるということ。

そのためにはミトコンドリアが元気に働いて、ATPを作り出す必要があります。

 

でも疲れやすい人は、このエネルギー工場(ミトコンドリア)の働きが弱っていることが多く、

体はこう考えます・・・

 

「動くためのエネルギーを確保したいから、体温を上げるのは後回し!」

 

その結果、

 

 ・代謝の低下

 ・冷えやすさ

 ・疲れやすさ

 ・活動後の回復の遅れ

 

といった症状が現れやすくなります。

 

まさに「冷え」と「疲れ」の悪循環です(+o+)

 

 

 

体温を支えるホルモンたち

    

 

体温を保つには、ホルモンの力も欠かせません。

特に重要なのがこの2つです。

 

  • 甲状腺ホルモン:代謝を上げ、体温を保つ指令を出す。

  • 副腎ホルモン(コルチゾール):ストレス対応&エネルギー動員。

 

この2つを作るには、「材料」と「余裕」が必要です。

タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンB群、マグネシウム、ビタミンC、コレステロールなどが材料になります。

 

でも、慢性的な疲労状態では・・・

副腎が疲れ、甲状腺ホルモンの変換もうまくいかず、結果的に体温が下がる・冷えるという現象が起きるのです。

 

 

 

温活は「安心させるケア」

       

 

エネルギー不足の体にとって温活は、

単に「体を温める」ことではなく、

 

「もうエネルギーを使っても大丈夫だよ」

 

「体を守る余裕があるよ」

 

と体に安心を伝える行為なんです。

 

じんわり温まることで副交感神経が働き、

血流が良くなり、ホルモンの材料も届きやすくなります。

 

 

 

温活のコツ

 

① 朝にタンパク質をしっかりとる

 

     

 

→ 朝の血糖が安定し、副腎(コルチゾール)がラクに働けます。

朝食を欠食したり、パン+コーヒーだけなど軽食で済ませると、材料がなく身体を温めるためのエネルギーまで回せなくなります。

 

また、血糖値が維持できず、血糖値上昇のためにコルチゾールが使われてしまい体温をあげるホルモンも血糖維持に使われ、朝からなんだか疲れているということに。

 なるべく、主食(ごはん・パン)だけの朝食にならないように、タンパク質をちょい足ししてみてください。

 

 例)

 ・ゆで卵を作り置き

 ・納豆・ちくわなど買い置きしやすいものをストックしておく

 ・豚汁を作り置きして朝温めるだけにする

 

 

 

 

② 鉄・亜鉛・B群・マグネシウムを意識

 

      

 

→ ミトコンドリアやホルモンの材料になります。

 以下のおすすめ食材を意識して取り入れてくてください。

 そろそろ牡蠣シーズンにもなります。

 しっかり過熱して旬の食材を楽しんでみてください。

 

 例:レバー、赤身肉、牡蠣、ナッツ、海藻

 

 

 

 

③ 夜はお風呂で“副交感神経スイッチ”を

 

     

 

→ 冷えやすい人ほど、毎日の入浴がおすすめです。

 交感神経から副交感神経へスイッチの切り替えをし、回復モードに。

 (38〜40℃のお湯で15分ほど)

 

 エプソムソルなどの入浴剤をいれることで、身体がほぐれやすくなり 湯冷めもしにくくなるのでおすすめです。

 

 

 

 

④ お布団の寒さ対策もしっかり!

 

     

 

→慢性疲労の方は、快適な睡眠と体の回復のためには、寝る前のお布団対策も必須です。

 いざ、寝ようとするとお布団が冷たく、身体が冷えてしまい、

 体温をあげるのに交感神経が刺激され、中々寝付けなかったり起きた時になんだか疲れてたり・・。

 しっかりと体を回復させるために、

  ・布団乾燥機、湯たんぽ、電気毛布などで布団全体を温めておく

 ことをおすすめします。

 

 電気毛布の電磁波が気になる方は、入るときに電源をオフしてもいいと思います。

 

 冬は特に睡眠の質が・・・というかたは、ご自身の睡眠環境を工夫してみてください。

 ちょっとした工夫で、体の回復や睡眠の質が変わってくるかもしれません。

 

 

⑤ 寝る前にスマホを置いて、深呼吸

     

 

→ エネルギーを“使う時間”から“貯める時間”へ切り替える。

 ついつい、寝る前に調べ物をしたり、返信したりとスマホを触る人も多いと思いますが、

 携帯の光が交感神経を刺激したりと、視覚からの刺激がつよいため、

 なるべく寝る直前(特に1時間前まで)のスマホはほどほどに(^^)

 

 

 

温めることは、エネルギーを取り戻すこと

     

 

疲れやすい=エネルギー切れ。

体温を上げることは、余計な消耗ではなく、

体の代謝エンジンを温め直す第一歩です。

 

冷えを放っておくと、ますますエネルギーが作れなくなりますが、

温活を続けることで、少しずつ「エネルギーが作れる体」に戻っていきます。

 

温めることは、体を“安心モード”に戻すこと。

安心できる体には、自然とエネルギーが湧いてきます。

 

『温活のコツ』を参考に、

ご自身のライフスタイルに合った「これならできそう」から始めてみてください。

人生と身体が今より少し生きやすくなるかもしれません。

 

 

 

 

宮本内科胃腸栄養クリニック 管理栄養士🍴

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