栄養ブログ

アミノ酸スコアで「効かせるタンパク質」を選ぼう!

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「毎日プロテインを飲んでいるのに、筋肉が増えない…」
「食事には気をつけているけど、なんだか疲れやすい…」


そんな悩み、実はタンパク質の『質』に問題があるかもしれません。

タンパク質の質を評価する指標として注目されているのが、アミノ酸スコアです。

 

 

①アミノ酸スコアって何?

アミノ酸スコアとは、体に必要な9種類の必須アミノ酸のバランスを数値化したものです。
WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が定める基準をもとに、100を満点として評価されます。

つまり、

  • 100:理想的なバランス(すべての必須アミノ酸が十分)

  • 100未満:どれかのアミノ酸が不足している

という意味になります。

 

ひとつでも不足すると、ほかが十分でも「合成できる量」がその不足分に引っ張られるため、「バケツ理論」で説明されることが多いです。

 

      

 

例)上記の右下のバケツのように、リジンが足りないと、他の8種類が豊富でも水はリジンの量までしか入りません。

この水の量が、タンパク質合成量です。

そのため、1種類でもかけると合成量はそこまででストップしてしまうのです。

 

これが、単品ダイエットが上手くいかなかったり、不調を招く理由の一つです。

 

②アミノ酸スコアが高い食品リスト

           

 

アミノ酸スコアが高い(=100)の代表的な食品は以下の通りです。

 

【食 品】 【アミノ酸スコア】
鶏卵         100
牛乳         100
魚(鮭・マグロなど)         100
肉類(牛・豚・鶏)         100
大豆製品(豆腐・納豆・味噌など)         100

 

食卓に馴染みのある食材ばかりですね。
特に卵と大豆は「完全栄養食」と呼ばれるほど優秀です。

 

③食材の組み合わせでスコアを補う

         

 

アミノ酸スコアが100未満の食品でも、組み合わせることで補うことができます。

 

例えば・・・

 

  • ご飯(リジンが不足)+味噌(リジンが豊富)
    組み合わせでスコアUP!

  • チャーハン(ご飯+卵)
    →バランス・吸収効率ともに◎

 

ご飯は、リジンが不足しやすいため、アミノ酸スコア100の食品を一緒に取ることで、スコアupするだけでなく、炭水化物+タンパク質でエネルギー効率も上がります。

 

複数を組み合わせることによって、お互いの食品の効果を更にアップさせた栄養満点な食事を摂ることができます。

 

和食の定番である、「ご飯+味噌汁+魚・肉」は、
実は理想的なアミノ酸バランスを自然に満たしているんです。

 

④忙しい朝の「完全アミノ酸朝食」

忙しい朝でもサッと作れて、栄養バランスが抜群なのがこの一皿。
ご飯(穀類)に不足しがちなリジンを、納豆(大豆)と卵がしっかり補います。
アミノ酸スコアはほぼ100、まさに完全アミノ酸食です💪

 

         

 

【作り方(1人分)】

  ①ご飯を茶碗に盛り、よく混ぜた納豆をのせる。

  ②卵を落とし、醤油をひとまわし。

  ③お好みで刻みねぎや海苔を添えて完成!

 

【ポイント】

  ●生卵が苦手な方は、温泉卵や目玉焼きでもOK。

  ●味噌汁や果物をプラスすると朝食の完成度がさらにアップ。

  ●活したい方は、めかぶなど入れても◎

  ●鰹節や青のりを入れるとマグネシウムが入り栄養強化!

 

 手間がかからず、体がよろこぶ和朝食です♪

 

 

 

ミニ知識:必須アミノ酸のそれぞれの役割と主に含む食品

 

様々な食材をそろえれば、栄養バランスのいい食事ができますが、アミノ酸それぞれに役割もあります。

単体でたくさん取ればいいものでもありませんが、どのような役割があるかも参考にどうぞ♪

 

 

●トリプトファン…セロトニン・メラトニン(睡眠・精神安定)の材料

         食品例)鶏卵、カツオ、レバーなど

 

●フェニルアラニン…ドーパミン、アドレナリンの材料

          食品例)鶏卵、レバー、マグロ・イワシなど魚全般、イカなど

 

●メチオニン…グルタチオン(解毒)、カルニチンの材料

       食品例)鶏卵、鶏むね肉、豚ロース赤身、ブリなど

 

●リジン…カルニチン(脂肪をエネルギーに変える)の材料、BCAA(筋肉の主成分)の一種

      食品例)カツオ、アジ、高野豆腐

 

●イソロイシン…筋タンパクの合成、ヘモグロビンの形成に関与、BCAA(筋肉の主成分)の一種、

       ヘモグロビン形成に必要、成長促進、血管拡張、肝機能向上など

 

       食品例)マグロ、豚肉、鶏卵

 

●バリン…筋タンパクの合成、BCAAの一種

     食品例)マグロ、豆腐、レバー、乳製品など

 

●ロイシン…タンパク合成・分解の調整、BCAAの一種(筋肉の主成分)、血糖コントロールなど

      食品例)カツオ、鶏むね肉、鶏卵

 

●スレオニン…成長促進、脂肪肝の抑制

       食品例)豚肉、鶏むね肉、高野豆腐、チーズなど

 

●ヒスチジン…ヘモグロビンの材料、成長に関与、

       不足すると小腸粘膜上皮の修復を阻害するなどの実験結果もある

       例)カツオ、イワシ

 

まとめ

アミノ酸スコアを知ることで、
「どんな食品を、どう組み合わせれば体にいいのか」

「これでいいのかな」から「これでよかった!」

と自分の食事への自信やヒントにつながります。

 

特別なサプリや高価な食材を使わなくても、
ご飯+納豆+卵のように、身近な食事で栄養満点メニューは実現可能です。

 

今日の食卓に少しだけ意識を加えるだけで、
エネルギーも集中力も、体の調子もぐっと変わっていきます

 

よかったら、参考にされてみてください♪

 

 

 

宮本内科胃腸栄養クリニック 管理栄養士🍴

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