栄養ブログ

妊娠しやすい身体づくりに!ビタミンDの知られざる役割

■ 妊活を栄養からアプローチ!

「妊活を始めたけれど、なかなかうまくいかない」
「サプリや運動、睡眠も気をつけているのに…何が足りないんだろう?」

 

そんなふうに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
妊娠に必要な要素はもちろんひとつではありません。

ホルモンバランス、排卵、子宮環境、そしてパートナーの状態など、さまざまな要因が関わっています。

 

しかし、“栄養”という面からできることもあります。
今回は、妊活に必要な栄養素の一つ 「ビタミンD」 に着目して、妊活との関係やその働きについてお伝えしていきます。

 

 

 

■ ビタミンDとは?

 

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ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、日光(紫外線)を浴びることで体内でも合成される珍しいビタミンです。
これまで「骨の健康に必要」とされてきましたが、近年は免疫系の働きや、ホルモンバランスにも深く関わることがわかってきています。

特に妊活中の人にとっては、「意識しておきたい栄養素」として注目されています。

 

 

 

■ ビタミンDとホルモンの深い関係

 

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実は、ビタミンDは女性ホルモンの調整や、妊娠に関わる体内の働きに幅広く影響しています。

  • 排卵のスムーズな促進

  • 黄体ホルモンの分泌サポート(これが不十分だと着床しづらくなります)

  • 子宮内膜のビタミンD受容体に働きかけ、受精卵の着床を助ける

  • 免疫のバランス調整(自己免疫性不妊などとの関連も)

また、ビタミンDは「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」や「FSH(卵胞刺激ホルモン)」などの生殖に関わるホルモン値とも相関があるという報告もあり、妊娠しやすい身体づくりにおいて重要なカギを握っています

 

 

 

■ 実際の研究とデータ

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海外や日本国内の研究では、ビタミンDレベルが高い人ほど妊娠率が高い、あるいは体外受精の成功率が上がった、という報告も複数あります。

 

ある研究では、ビタミンD不足は、

 

 ●妊娠までにかかる時間が長くなる

 ●着床率が下がる

 ●早産や妊娠高血圧症のリスクがやや上昇する

 ●精子運動率や前進運動率、正常精子形態率が低い

 ●初期流産リスク上昇と関連する

 

といった研究報告があります。

 

その他、妊娠中にビタミンDを十分に摂取することで、こどもが小児ぜんそくにかかるリスクが大きく低下することも分かっています。

 

もちろん、ビタミンDだけですべてが解決するわけではありませんが、妊活に取り組む女性にとって「不足していないかを確認する必要がある栄養素」といえます。

 

 

 

■ ビタミンDが不足しやすい理由とチェック方法

 

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ビタミンDは日光に当たることで皮膚で合成されますが、現代の私たちの生活環境では不足しやすいのが現実です。

 

 ☑日焼け止めや長袖の着用で紫外線をブロック

 ☑室内仕事・在宅ワーク中心で日照不足

 ☑冬季や曇りの日が多い地域での生活

 ☑魚をあまり食べない食習慣

 

このような条件がそろうと、血中のビタミンD濃度が低下しやすくなります。
実際に、日本人女性の約7〜8割がビタミンD不足または欠乏状態にあるという報告もあります。

 

ビタミンの血中濃度の多くは、過不足の指標にはなりませんが、ビタミンDは、血中の25-OH-D濃度が体内動態を反映し、過不足の指標となります。

自分のビタミンDベルが、気になる方は、一度血液検査をされてみてください。

 

 

当院でも、血中の 25-OH-D濃度 ¥3,100円 にて測定することが出来ます。

※血中ビタミンD濃度単体での採血(¥3,100円)もできますが、身体全体の栄養状態を評価できる栄養解析採血もおすすめです。

ご希望の方は、お気軽にご連絡ください。

 

 

■ 妊活中に意識したいビタミンDの摂り方

ビタミンDを適切に摂取する方法としては、以下の3つがオススメです。

 

① 食事から

・鮭、サバ、いわし、しらす干しなどの魚類
・卵黄
・きくらげ、干し椎茸(干したものの方が多く含まれます)

脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂ることで更に吸収率がupします!!

 

② 日光浴

・1日15〜30分程度(顔と手などに日光を浴びる)
・日差しの強すぎる時間帯は避けて安全に
※肌の弱い方は無理をせず、短時間を意識

 

③ サプリメントの活用

・ビタミンD(推奨摂取量:個人差がありますが、1000〜2,000IU程度が目安)
・過剰摂取には注意。脂溶性ビタミンは、摂り過ぎも身体にとってよくないため、上記以上を摂る場合は、注意が必要です。

 

 

 

■ おわりに…小さな改善が、大きな前進に

 

 

妊活は、自分の身体を整える良いきっかけです。

だからこそ、焦らずに「自分にできることをひとつずつ整える」ことが大切です。

 

ビタミンDは、妊娠しやすい身体をつくる土台を支えてくれる大切な存在になります。

食事・日光・サプリなど、自分に合った方法で無理なく取り入れてみてください。

 

 

 

栄養は、男女関係なく必要なものです。

夫婦で栄養の力を味方につけ、赤ちゃんを迎え入れる準備をしていきましょう。

 

 

 

宮本内科胃腸栄養クリニック 管理栄養士🍴

 

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