逆流性食道炎

このような症状はありませんか?

上記のような症状に心当たりがある方は逆流性食道炎の可能性があります。
胃や腸の症状を専門とした当院の消化器専門外来までご相談下さい。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃の内容物とともに胃酸が食道に逆流することで、食道粘膜を胃酸が刺激し、炎症を引き起こす疾患です。近年では、食生活の欧米化や、ストレスの影響で、逆流性食道炎を発症する方が増加しており、その罹患率は6〜30%と言われています。
主な自覚症状は胸やけと呑酸です。特に空腹時や夜間に胸やけの症状が現れることが多く、心臓付近の痛みや胸のむかむか感で夜中に目が覚めてしまうなど、生活に支障をきたしてしまうこともあります。また、食道の閉塞感やのどの違和感、慢性的な咳、声がかれるなど、食道やのどの症状が出ることもあります。流性食道炎は直接的に生命に繋がる疾患ではありませんが、その症状は生活に支障をきたしてしまう事が多く、QOL(生活の質)の低下に繋がります。治療せずに慢性的に食道内の炎症が続くと、食道がんのリスクが高まってしまうので、少しでも異変を感じたら、当院までご相談ください。

逆流性食道炎の原因

正常な状態では、胃液が逆流して、食道が傷つかないように、食道と胃の境目にある下部食道括約筋が、胃液をせき止める働きをしています。しかし、以下のような原因で、胃液が逆流し逆流性食道炎になる可能性が高くなります。

1. 括約筋の機能低下

胃と食道の境界部分にある下部食道括約筋は、胃から食道へ逆流を防ぐ弁の役割をしています。しかし、加齢や暴飲暴食、乱れた食生活を続けると、括約筋の収縮力は弱まってしまい、食道と胃の境界部分が常に緩い状態になってしまいます。そうすると胃酸が食道へ逆流し、食道内で炎症を引き起こします。

2. 腹圧上昇

下部食道括約筋が正常に機能していたとしても、腹圧が上がり胃が強く圧迫されてしまうと、胃酸が食道へ押し出され、逆流性食道炎を引き起こしてしまいます。

腹圧が上がる原因

  • 肥満
  • 長時間前かがみになっている(PC作業時など)
  • 着物やガードル、コルセットなどお腹を締め付ける服装をよくしている
  • 重い物を持ち上げるなどお腹に力が入る動作を頻繁に行う

上記の心当たりのある方は、胃酸の逆流を予防するため生活の中でできるだけ腹圧をかけないように気を付けましょう。

3. 食道裂孔ヘルニア

食道裂孔とは、食道が横隔膜を通るために開いている生理的な筋肉の穴のことを言います。肥満や加齢、生活習慣によってこの食道裂孔を支えている筋肉が弱くなると、腹腔内にある胃が胸腔内にずれ込んでしまいます。そうすると、下部食道括約筋が弛緩してしまい、逆流防止の役割を果たすことができず、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。

4. 胃酸過多

脂肪分の多い食べ物の過剰な摂取、精神的なストレス、過度な飲酒、睡眠不足などが原因で胃酸が過剰にに分泌されると逆流性食道炎を引き起こしやすくなってしまします。

5. 薬の副作用

心臓の病気や血圧のお薬、喘息のお薬などはその副作用として下部食道括約筋の機能を緩める場合があります。お薬を服用していて、逆流性食道炎の症状がある方は、来院の際にお薬、またはお薬手帳をご持参下さい。

6. 腸内フローラの異常(SIBO)

腸内細菌叢(腸内フローラ)が乱れ、特に小腸で細菌が異常に増殖すると小腸でガスが発生して胃に戻ってきます。胃がガスで張ることで胃の内圧が上がり食道への逆流が増えます。

胃酸を抑える薬をもらってもあまり変化がない人にこのパターンが多く見られます。主に消化力が低下(胃酸が少ない)人が起こりやすく、胃酸を抑える薬は帰って逆効果となります。

逆流性食道炎の検査方法

逆流性食道炎を正確に診断するにはやはり胃カメラが一番お勧めです。

症状から逆流性食道炎かもしれないといって、薬が効いたからよかったで済ますと、背景に悪性疾患などが隠れているケースがあります。病気があるという診断も大切ですが、他の病気がないという診断も非常に重要ですので一度も検査を受けたことがない人はぜひ受けてください。

当院の胃カメラの特徴

逆流性食道炎の治療方法

胃カメラで原因を特定した後は、適切な治療を行っていきます。
逆流性食道炎の治療は主に薬物療法と生活習慣改善です。

1. 薬物療法

逆流性食道炎の薬物療法でよく用いられるのは

 

  • 胃酸分泌抑制薬(H2ブロッカー、PPI、PCABなど)
    特徴:胃液の酸性度が弱まるため食道への刺激が減少します。即効性があり、食道粘膜の修復には必要ですが、根本原因の治療にはならず、長期仕様で様々な疾患のリスクが上がるため短期間の使用をお勧めします。
  • 消化管運動改善薬
    特徴:胃腸の動きを良くすることで逆流を防ぐ目的で使われます。効果は弱いですが、比較的安全な薬です。胃もたれが多い人にお勧めです。
  • 消化酵素
    消化不良は腸内環境悪化の一番の原因です。消化をサポートすることで胃内に食べ物が留まる時間が短くなり、腸内環境改善にも役立ちます。SIBOの症状が強い方にお勧めです。
  • 漢方薬
    逆流性食道炎では数種類の漢方薬が使われます。(六君子湯、半夏瀉心湯、安中散など)
    患者さんの症状、体型などを元に選択します。

 

2. 生活習慣の改善

以下のように生活習慣の改善を行います。

  • 過度なカフェイン、アルコール摂取を控える
  • 炭水化物(米、パン、麺類、蕎麦など)を食べすぎない
  • 動物性脂肪を多く含む食べ物の摂取を控える
  • 食後すぐに横にならない
  • 就寝3時間前には夕食を食べる
  • 前かがみの体勢にならない(姿勢をよくする)
  • 肥満の改善
  • お腹を圧迫する服装を控える

逆流性食道炎なら当院へ

逆流性食道炎があるということは、内臓脂肪の蓄積や逆に痩せすぎていたり、生活習慣病のリスクである糖質、脂質の摂りすぎやタンパク不足などが背景にあるということが言えます。

そういった原因を放置しておくと将来生活習慣病になり他の病気が増えてしまうかもしれません。

胸焼け一つとっても、その人のライフスタイルを見直すきっかけになりますので気になるかたは早めに受診してください。

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